
〜施設職員がすぐに取り入れられるステップと、家族介護へのヒント〜
認知症の方へのケアは、日々の積み重ねが信頼関係を築く鍵となります。その中で注目されているのが、フランス発祥のケア技法「ユマニチュード」です。今回は、施設職員の方がすぐに実践できるユマニチュードのステップと、在宅で介護をされているご家族へのアドバイスをご紹介します。
ユマニチュードとは?
ユマニチュードは、「人間らしさを取り戻す」ことを意味するフランス語で、認知症ケアにおいて「見る」「話す」「触れる」「立つ」の4つの柱を大切にする技法です。これらを通じて、認知症の方との信頼関係を築き、穏やかなケアを目指します。
施設職員向け:ユマニチュードの5つのステップ
1. 出会いの準備
- 部屋に入る前に、3回ノックし、3秒待ちます。
- 返事があれば、再度ノックして入室します。
- 相手の視界に入る位置から、穏やかな表情で挨拶します。
このステップは、相手に安心感を与え、ケアの始まりを穏やかにします。
2. ケアの準備
- 「お会いできて嬉しいです」と気持ちを伝えます。
- ケアの内容を簡潔に説明し、同意を得ます。
- 同意が得られない場合は、無理に進めず、時間を置いて再度試みます。
相手の意思を尊重することで、信頼関係が深まります。
3. 知覚の連結
- ケア中は、目を見て話しかけ、優しく触れます。
- 行っているケアの内容を言葉にして伝えます。
- 相手の反応を見ながら、ペースを合わせます。
視覚、聴覚、触覚を通じて、安心感を提供します。
4. 感情の固定
- ケア後に、「気持ちよかったですね」「ご協力ありがとうございました」と感謝の言葉を伝えます。
- ポジティブな感情を共有し、良い記憶として残します。
このステップは、次回のケアへの前向きな気持ちを育みます。
5. 再会の約束
- 「また明日の10時にお伺いしますね」と具体的に伝えます。
- 予定をカレンダーに記入するなど、次回のケアを予告します。
再会の約束は、安心感と期待感を生み出します。
家族介護でのユマニチュードの活用
在宅で介護をされているご家族も、ユマニチュードの考え方を取り入れることで、穏やかな介護が可能になります。
- 見る: 目を合わせて、優しい表情で接します。
- 話す: ゆっくりと、明るい声で話しかけます。
- 触れる: 手を握る、肩に手を置くなど、安心感を伝える触れ方をします。
- 立つ: 可能であれば、一緒に立ち上がる時間を作ります。
これらを日常の中で意識することで、認知症の方とのコミュニケーションが円滑になり、介護の負担も軽減されます。
おわりに
ユマニチュードは、認知症の方との信頼関係を築くための有効な手法です。施設職員の方も、在宅で介護をされているご家族も、日々のケアに取り入れてみてはいかがでしょうか。小さな積み重ねが、大きな安心感と笑顔につながります。

